開眼供養
「開眼」には「新たに仏像の眼を開く」という意味があります。そして新しい仏像が出来たときに、その仏の霊を迎える儀式を「開眼供養」といいます。それが転じて、お墓にも行われるようになったのがお墓の開眼供養で、新しい墓石を単なる石からお墓にするための儀式です。お墓に魂を入れるという意味で「み魂入れ」とも呼ばれます。この法要を行うことによって、新しいお墓が宗教的な機能を果たすことになり、故人の霊の安住の地となり、納骨することができるわけです。
開眼供養の手順は
まず全員が本堂に集まります。 仏前に遺骨を安置し、僧侶に読経してもらってから焼香を行います。そのあとお墓へおもむき、お墓を清掃しお供えをします。新しく仲間入りするのですから、両隣のお墓にも花や簡単なお供えをしましょう。そして再び読経(墓前の読経は短いものです)してもらってから納骨を行います。これで供養は終わりですが、最後に全員で会食をするのが普通です。開眼供養は僧侶へ「お布施」を包みます。その額は墓地造成にかかった費用の一割前後と言われていますが、三万円から五万円程度が一般的です。また、僧侶が会食に出席できない場合は、別に「お善料」を包みます。
閉眼供養
開眼供養とは逆の場合、つまりお墓を墓石から単なる石に戻す法要を「閉眼供養」といいます。お墓を他の場所に移し替えたり、立て替えたりする「改葬」の場合に行います。墓石から仏の魂を抜くので「み魂祓き」「祓魂式」とも呼ばれます。この日は家族で集まり墓前にお供えをし、僧侶にお経をあげてもらって遺骨を引き取ります。魂を抜かれた石は、普通は石材店や寺院で供養などのしかるべき処置がなされます。なかには古い墓石を新設したお墓の横や後ろに並べて、ご先祖様に見守られていると縁起を担ぐ人もいるようです。
お世話になる僧侶にはもちろん「お布施」を用意します。金額的には開眼供養と同程度と考えてよいでしょう。
※仏壇の中に納まっていたものが不要になったときにも閉眼供養を行います。