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1.開眼供養と閉眼供養

開眼供養
「開眼」には「新たに仏像の眼を開く」という意味があります。そして新しい仏像が出来たときに、その仏の霊を迎える儀式を「開眼供養」といいます。それが転じて、お墓にも行われるようになったのがお墓の開眼供養で、新しい墓石を単なる石からお墓にするための儀式です。お墓に魂を入れるという意味で「み魂入れ」とも呼ばれます。この法要を行うことによって、新しいお墓が宗教的な機能を果たすことになり、故人の霊の安住の地となり、納骨することができるわけです。

開眼供養の手順は
まず全員が本堂に集まります。 仏前に遺骨を安置し、僧侶に読経してもらってから焼香を行います。そのあとお墓へおもむき、お墓を清掃しお供えをします。新しく仲間入りするのですから、両隣のお墓にも花や簡単なお供えをしましょう。そして再び読経(墓前の読経は短いものです)してもらってから納骨を行います。これで供養は終わりですが、最後に全員で会食をするのが普通です。開眼供養は僧侶へ「お布施」を包みます。その額は墓地造成にかかった費用の一割前後と言われていますが、三万円から五万円程度が一般的です。また、僧侶が会食に出席できない場合は、別に「お善料」を包みます。

閉眼供養
開眼供養とは逆の場合、つまりお墓を墓石から単なる石に戻す法要を「閉眼供養」といいます。お墓を他の場所に移し替えたり、立て替えたりする「改葬」の場合に行います。墓石から仏の魂を抜くので「み魂祓き」「祓魂式」とも呼ばれます。この日は家族で集まり墓前にお供えをし、僧侶にお経をあげてもらって遺骨を引き取ります。魂を抜かれた石は、普通は石材店や寺院で供養などのしかるべき処置がなされます。なかには古い墓石を新設したお墓の横や後ろに並べて、ご先祖様に見守られていると縁起を担ぐ人もいるようです。
お世話になる僧侶にはもちろん「お布施」を用意します。金額的には開眼供養と同程度と考えてよいでしょう。
※仏壇の中に納まっていたものが不要になったときにも閉眼供養を行います。

2.改葬について

お墓の引越し…、どうしたらいいの?
引越しなどで、遠くなってしまってお墓の維持が大変で、お墓参りも面倒になってしまう事ってありますよね…

改葬
遠くに引越ししてしまったため、お墓を守っていくことができない。宗派を変えたので、そちらのお寺や宗派自由の霊園にお墓を移したいなどの理由によりお墓の引越しを行う事があります。これを改葬といいます。
改葬には市区町村長の発行する改葬許可証が必要です。法的な制約は、この許可証のみですが、旧墓地の墓地管理者との関係も忘れてはなりません。特に寺院の墓地の場合、お盆やお彼岸、法要のときだけではなく日常的にお付き合いしていたわけですから、おかしな誤解が生じないよう改葬にいたる経緯などを誠意を持って説明しましょう。
そうした上で、寺院によっては転居先の墓地について準備ができていないような際、移転先の近くのお寺に紹介状を書いてくれる場合もあります。このほか、親族との話し合いも欠かせません。お墓を他へ移すことに拒否感を持つ人もおりますから、後からもめることのないよう親族の方々の理解を得ておきましょう。
また、改葬ができていないときは遺骨の一部のみを別のお墓に移すという方法もあります。これを分骨といい、そのお墓の使用者から同意が得られれば問題なく行えます。
手続きも簡単で、必要な書類はお墓のある墓地の管理者が発行する分骨証明書だけです。これを新しくお墓を建てた墓地の管理者に分けた遺骨とともに提出します。このとき、改葬のように市区町村長の許可を受ける必要はありません。
ここで注意いたいことは、分骨の際の儀式や以後行われる法事・法要の形式です。寺院墓地の場合は特にそうですが、それぞれの寺院の宗旨・宗派にのっとって行われることになります。故人のことを考えると、新しく建てたお墓もなるべく宗旨・宗派の自由な霊園を選びたいものです。

改葬の手順
まず新しい墓地を確保する。

  1. 新しい墓地の管理者に受入証明書を発行してもらう。
  2. 旧墓地の管理者に埋葬証明書を発行してもらう。
  3. 旧墓地のある市区町村に受入証明書と埋葬証明書と改葬許可申請書を提出する。
  4. 市区町村役場から改葬許可証が交付される。
  5. 旧墓地からお骨を取り出す。
  6. 取り出したお骨に改葬許可証を添えて、新しい墓地へ提出する。
  7. お骨を新しいお墓に納める。

    ※5、7では通常、それぞれ祓魂式(閉眼供養)、入魂式(開眼供養)の法要を行います。
    ※市区町村役場によって微妙にその方法が異なっていることもありますので、
       詳細な手続き方法は市区町村役場に問い合わせて確かめましょう。
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